将来の高性能スーパーコンピュータやデータサーバの実現のためには、エネルギー効率が極めて高い集積回路技術の創成が必要です。我々は、高速性が特徴の超伝導磁束量子回路において、回路をゆっくりと断熱的に動作させることで、熱力学的極限を超える究極の低消費エネルギー集積回路を実現することを目指します。本研究ユニットでは、計算におけるエネルギー下限値を実験的に解明するとともに、断熱的可逆演算回路を用いた超省エネルギープロセッサの研究開発を行ないます。以上の成果に基づいて、3年以内に極限的低消費エネルギーで動作する超伝導集積回路を用いたコンピュータシステムの実装を行ないます。更に研究成果を高分子質量分析システムなどの様々な応用分野に展開します。
Microphotograph of a single-flux-quantum (SFQ) time-to-digital converter (TDC) for superconducting time-of-flight mass spectrometers, which have high mass resolution for bio molecules. The time resolution of the SFQ TDC is demonstrated to be about a few ps.