Introduction – 研究概要

本研究拠点は、理学と工学分野における超伝導研究者の総力を結集し、新たな超伝導材料やデバイスの創生とそれらの応用に関する学際的研究を行ないます。

高温新超伝導物質を用いた無損失な電気・電子機器、超伝導巨視的量子効果による量子コンピュータなど、超伝導材料やデバイスのブレークスルーが社会にもたらす波及効果は極めて大きいと考えられます。本学には、超伝導材料やデバイス物理の研究を行う理学者から、超伝導センサや集積回路などの研究開発を行う工学者まで広い分野の研究者が活躍しています。これらの研究者が結集し協力することで、新しい物理現象や超伝導材料の応用研究への展開、また高度な工学的方法に基づく物理現象の解明や新材料の発見などの相乗効果が期待できます。

本研究拠点では、本学の研究者が得意とする超伝導関係の研究テーマに焦点を絞り,超伝導の物理と工学を融合した研究を推進しています。これにより本分野における世界的な研究拠点となることを目指します。

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研究内容と方法

本拠点では以下の研究テーマに焦点を絞り、超伝導の物理と工学を融合した学際的研究を行ないます。

(1) 新規超伝導物質の創生とデバイスへの応用:強磁性相関を持つ新超伝導体、重い電子系の新超伝導体などの研究を通して、超伝導の物理的機構を解明し、最高Tcを持つ高温超伝導体の創生を目指します。

(2) 原子ドーピングによる超伝導特性の向上と新規デバイスへの応用:高温超伝導体の臨界電流密度Jc向上のため、新たな臨界状態モデルを用いて新規ドーピング物質を探索します。

(3) 微小超伝導接合における量子状態の解明:微小ジョセフソン接合で作られる磁束量子ビットに関して量子化エネルギー準位の解明、量子状態制御、量子コヒーレンス時間の向上を目指します。

(4) 超伝導単一磁束量子を用いた極限計測技術と新規物理現象の解明:高い精度で磁場や時間の計測が可能な単一磁束量子回路を用いて、超伝導体の量子磁束状態や超伝導接合の量子コヒーレント状態を観測します。

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