統一臨界状態モデルと高温超伝導体の磁束物理の研究

工学研究院 教授 君嶋義英

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(1)これまで、高温超伝導体Bi2223(Fig.1)および非磁性遷移金属元素を導入したMgB2(Fig.2,3)の侵入磁束に対するピン止め効果を検証した。その結果、Bi2223においては低磁場でグレイン間の、高磁場でグレイン内の臨界電流密度(Jc)が支配的であること、およびMgB2については数%程度のAg, Cu, Ti, Wが臨界電流密度Jcの向上をもたらすことを明らかにした。

(2)最近、脚光をあびているFe系超伝導体FeSe0.5Te0.5, KxFe2Se2の intrinsic なJcの温度依存性、およびAgをドープしたFeSe0.5Te0.5のJc特性を明らかにした。特にAgを5%ドープしたFeSe0.5Te0.5のJcが高磁場側で上昇する、いわゆるピーク効果を見出した。現在、ピン力密度を中心にピンニング特性の解明を行なっている。

なお、いずれのテーマにおいても、自ら開発した統一臨界状態モデル(上式)のフィッティングから、Jcを評価している。

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