超伝導単一磁束量子集積回路の研究と極限計測への応用

工学研究院 教授 吉川信行

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単一磁束量子回路を用いた医療画像用高速FFTプロセッサ

単一磁束量子 FFT演算器の構成 4bit FFT演算器のチップ写真

単一磁束量子回路は、高速性、低消費電力性において半導体回路を遥かに上回る優れた性能を持っています。本研究では、医療画像処理にや電波天文などにおける莫大な量の演算を行うために、単一磁束量子回路を用いた高速フーリエ変換(FFT)プロセッサの研究開発を行ってます。FFT演算の要素回路である、4ビットバタフライ演算器を設計試作し、クロック周波数25GHzにおける高速動作を実証しました。

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超伝導デバイス・回路の先端高分子質量分析機器への応用

飛行時間型質量分析法(TOF-MS)
による高分子の質量分析
遅延時間測定回路のチップ写真

超伝導体を用いた単一磁束量子回路は、高速性、高感度性において優れた性能を持ちます。また、超伝導ナノワイヤ検出器は巨大分子の高速な検出が可能です。我々は、超伝導ナノワイヤ検出器と単一磁束量子時間測定器を組み合わせた高分子質量分析装置の研究を産業技術研究所と共同で行っています。これまで、単一磁束量子回路を用いた遅延時間測定回路を開発し、実測において2.5psの時間分解能を得ることに成功しました。現在、本技術を用いてメガダルトンにおよぶ巨大分子の正確な質量測定ができる質量分析装置の研究開発を行っています。

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